共働き世帯の家計やりくり方法とは?収入はあるけど支出も多い?

共働き世帯の家計やりくり方法とは?収入はあるけど支出も多い?

1馬力家庭より、お金に余裕があると思われがちな共働き家庭ですが、2馬力の収入があるはずなのになかなか余裕が持てていない、預貯金額は全然増えないという悩みを抱える家庭も多いものです。

共働き世帯は専業主婦世帯に比べ、収入が多い分、支出も増えがちな傾向にあります。頑張って収入を増やしているのに家計が改善されないなんて悲しいことです。

しかし、ただ支出を抑えようにも専業主婦世帯のように時間や手間をかけた節約術は難しいものがあります。では、忙しい共働き家庭ではどのように家計をやりくりすればよいのでしょうか?

専業主婦世帯と共働き世帯の家計における違いとは?

総務省の平成29年家計調査報告によると、夫のみ有業である専業主婦世帯の月あたり平均実収入は「502,839円」。夫婦共働き世帯の平均実収入は「608,491円」となっており、収入自体は共働き世帯の方が10万円ほど多いことがわかります。直接税や社会保険料などの非消費支出を引いた可処分所得で比較しても、その差は9万円ほどとなっています。

一方、月々の消費支出は専業世帯が「303,690円」、共働き世帯が「335,859円」と、共働き世帯の方が使っているお金も多いのです。

共働き世帯の方がより多く支出している項目は、
・食費
・被服及び履物費
・交通通信費
・教育関係費
・その他の消費支出(諸雑費、こづかい、交際費、仕送り金)
…となっています。

逆に住居費は持ち家率の高い共働き世帯の方が少ない傾向にあり、教養娯楽費は専業世帯の方が多く支出しています。

共働き世帯は専業世帯に比べて外食頻度が高く、通勤などにかける交通費や衣料品購入費がかかるということを考えると納得できるでしょう。また教育費が多いことからは、親が忙しい分、子どもを塾などに預けているという傾向が読み取れます。

※出典(総務省「家計調査報告(家計収支編)平成29年(2017年)」)

共働き世帯が陥りがちな家計の落とし穴

共働き世帯の方が支出は多いとはいえ、可処分所得から消費支出を引いた家計収支の黒字分はやはり共働き世帯の方が多いといえます。それなのに、なぜ共働きだけれどもなかなか貯蓄ができていないというケースが見られるのでしょうか?

それは、発生する黒字分を「なんとなく」で無計画に消費してしまっていることが理由です。その「なんとなく」が発生する原因としては、夫婦どちらも収入を得ていることによる油断や、家計を個別化することにより全体の把握が甘くなるといったものが挙げられます。

共働き世帯でおろそかになりがちな家計簿の共有

共働き世帯の家計管理方法としては、大きく4種類が挙げられます。

  • 全ての収入を一つにまとめて管理する、『一元管理タイプ』
  • 収入の多い方が生活費をまとめて負担し少ない方の収入を貯蓄などに充てる、『大黒柱タイプ』
  • それぞれが決まった生活費を出して一つの口座にまとめ、残りは互いが自由に管理する、『共同出資タイプ』
  • 住居費や食費など、支出の項目ごとに夫婦で分担して支払う、『個別分担タイプ』

このうち、一元管理タイプと大黒柱タイプは家計の不透明性が少ない方であるため、家計の見直しが容易です。

気を付ける必要があるのが、共同出資タイプと個別分担タイプです。どちらも基本は夫婦別会計であるため各自で自由に使えるお金は増えるのですが、その反面「なんとなく」で消費してしまいがちです。配偶者はきっと貯金しているだろうという楽観的な思い込みの結果、実はどちらも貯金がゼロだったというケースも多々あります。

いくら世帯年収が高くとも、双方が常に意識して家計を管理しなければ思うように貯蓄はできません。現在の貯蓄状況などの情報共有を積極的に行ったり、夫婦間で家計に対する意識のすり合わせをしっかりと行うことが重要です。

どの費用を節約していくべきか

先ほど紹介した共働き世帯が多く出費している項目の中で削りやすいものはどれかと考えると、やはり食費と被服費、通信費であるといえるでしょう。

被服費はシーズンごとに購入金額の目安を設定することでセーブすることができます。

スマホ代などの通信費は契約内容の分かりづらさがネックですが、家族でばらばらに高額な契約をしているなど節約の余地が大きい家庭も多々存在します。ぜひ一度契約内容を見直し、格安スマホへの乗り換えを検討するなど、出費の必要性を確認してみましょう。

料理は上手に手抜きして時間もコストも削減しよう

共働き世帯は専業世帯より忙しく、毎日手間暇をかけて節約レシピを工夫したり、1円でも安い商品を探してスーパーをはしごしたりするような時間はありません。

多忙な共働き世帯は、お金の節約と時間の節約を等価に考えることも必要です。無理をして一から料理を手作りした結果、週末には疲れて外食続き…なんてことになる方が、出費はかさみます。それなら楽をできるところは楽をして、毎日コンスタントに自宅調理を続ける方が、精神的にもゆとりを持てます。

麻婆豆腐に代表される合わせ調味料商品を使うことや、食洗機を導入することに罪悪感を持つ必要はありません。買い物だってネットスーパーや食材宅配サービスを利用したってよいのです。

まずは現在の食費とそのうちの外食費、日々どれだけの時間を費やしているかを書き出してみましょう。その結果と各種サービスを導入した結果を比較し検討してみての結論ならば、それは手抜きではなく合理的な選択なのです。

まとめ

共働き世帯は収入が多い分、家計への管理意識が弱くなりがちです。夫婦別会計であっても家計に対する意識や貯蓄情報は共有するなど、やりくりのためには、より夫婦での連携が必要とされます。

多忙な共働き世帯では、金額にこだわった節約だけではなく、時間の節約とのバランスが必要となってきます。専業主婦世帯と同じ方法をとるのではなく、それぞれの家庭の出費と時間の使い方をしっかりと洗い出して、合理的な選択をすることが重要だといえるでしょう。

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