貯金なしの30代 10年後の自分のために今日からできること
仕事にプライベートにと、大きな変化を経験する人も多い20代の間は、少し遠い未来にまで備える余裕を持てる人はそう多くはなかったかもしれません。
しかし、30代になった今、これから先の10年を「駆け抜ける」のではなく「積み重ねる」意識で過ごすことができれば、これからの生活、ひいては心にも大きな余裕を生み出すことができるでしょう。
改めて生活やお金まわりを見直し、貯金なしの状態から抜け出す方法について一度考えてみませんか?
30代の平均収入と貯金額
世帯別平均
金融広報中央委員会の統計によれば、平成27年度の30代勤労者世帯の平均年収は『618万円』、貯蓄(貯金)額は『670万円』とされています。
全体を見ると年収の1.1~2倍の貯蓄が平均値となっているようですが、こちらは年収1,000万円以上の人から200万円以下の人までを含めた平均ですので、実感としては「中央値」というものを見るのが良いかもしれません。
年収750万円未満の個人単位で見ると
なお個人単位で見ると、平成29年度の国税庁の統計では、30代(30~39歳)の平均年収は424.5万円となっています。
そこで30代・年収750万円未満のグループの中央値に注目してみましょう。
すると貯蓄額の中央値は200万を切り、「貯金なし」の割合は3割に上ります。多くの人にはこちらの方が現実味が持て、少し安心できる数字に感じられるのではないでしょうか。
貯金なしのままでは大きなリスクが
貯金なしの30代は結構多いということを知って安心した人もいるかもしれませんが、「貯金なし」のまま生きていくのは大きなリスクを伴うのも事実です。
たとえば本人の病気や家族の事情などで今までどおりの収入が得られなくなった場合、急に高額な出費が必要になった場合などは、どうしても予備のお金が必要になるでしょう。昨今では、いつ起きるかわからない災害時のための備えを考える方も多くいらっしゃいます。
また、変動の激しい現代社会において、自分が高齢者世代を迎えた時に生活の質を一定水準に保つためにも、備えがあるに越したことはありません。
貯金にはその他のメリットも
リスクを避けること以外にも、貯金には大きなメリットがあります。
それは「選択肢を広げる」ことです。
貯金があることで、今よりもう少しだけ自由に色々なことを選べるとしたら、素敵だと思いませんか?
30歳を超えたら、近い未来に目標を定める
現在、毎月の給料日前になると数百円もしくは数千円しか口座に残らないという人は、まず5年後の自分を想像してみましょう。
5年後の給料日前日のあなたの銀行口座には、どれくらいお金があるのが理想ですか?
仮に300万円だとすると、一年に60万、月5万円の貯金が必要です。
年2回賞与の出る職種の方なら、月2~3万の貯金プラス賞与で十分おつりがくるかもしれません。
もう少し早く目に見える結果が欲しい人は、3年後を考えてみましょう。
3年後に120万円貯めることを目標にしてみると、一年で40万、月3万+3~4千円での貯金ペースです。
120万貯まったら、仮に自分に最大20万円のご褒美をあげたとしても、まだ100万円が手元に残ると思うと、嬉しいですよね。
無理のない目標をたてることが大事
自分にとって少しでいいから夢があり、無理のない数字。まずはそこを目標としてみてはいかがでしょうか?
「貯金のある生活」が、少しだけ現実味を帯びて感じられてくれば、あとは一歩を踏み出すだけです。
どうしても貯金ができない…という人におすすめの方法
「そうは言っても何から手を着けて良いかわからない」
「貯金はしたいけれど生活の質は落としたくない」
「節約しているつもりでも、交際費がどうしてもかさんでしまう」
社会に出て5~10年以上が経ち、自分のライフスタイルや人生の目標というものが少なからず形づくられてきた30代には、よくある悩みかと思います。
ここでは「それでもやはり貯金を増やしたい!」という人におすすめの方法を紹介します。
「天引き貯金」という貯蓄方法
給与所得が生活費の中心となっている場合、毎月そこから保険料や税金を「天引き」された額の中で生活することは、いわば当たり前のことと感じている方が多いと思います。
「天引き貯金」とは、毎月振り込まれる給与などから、一定の額を貯金用の口座に振り分ける仕組みを作るということです。
一番効果的なのは、金融機関に貯蓄用の口座を新たに作り、毎月一定額が自動的にそちらに振り込まれるような契約をしてしまうことです。しかし、それが難しく感じられる方は、給料日後初めて口座から生活費を下ろす際、貯金分も一緒に下ろし、まずは目をつぶって貯金用の口座に移してしまいましょう。
新しい口座を作らずとも、もし過去に作って眠っている銀行口座があれば、そちらを活用するという方法もあります。
足りなくなった時のことはまたその時に考えると割り切り、少し無謀かな?と思える金額から貯金を始めるのも一つの手です。もしそれで、やはり明らかに生活の質の低下を感じるようであれば変更しても構いません。それくらいの気持ちで、とにかくまずは始めることが大切です。
30代の「交際費」をどう管理するか
衣食住に関しては、自分の意識の持ち方次第で、ある意味「いくらでも」節約の余地があります。
しかし難しいのが「交際費」という、自分の意識だけでは節約しにくい支出です。特に30歳を超えると、冠婚葬祭に関しての不定期な出費はどうしても避けて通れません。
これについてはあらかじめ、「補助金」を積み立てておくことがおすすめです。たとえば「500円玉貯金」や「おつり貯金」などの少額の貯金方法を、そのような目的に活用するのも良いでしょう。
できる限りは日々の生活費の中で賄いつつ、いざ祝儀や不祝儀が続いた時にそこから少しでも補助を出せるようにしておけば、生活費に大きな負担をかける心配も減少します。
まとめ
もちろん、上記で紹介した方法の他にも、それぞれのライフスタイルに合った貯金の方法はたくさんあります。また、人生においてお金を貯めやすい時期というものも、人によって様々でしょう。
しかし、ある程度の社会経験を積み、理想と現実の折り合いをしっかりと見つめる視点があり、体力や気力にもまだまだ柔軟性と余裕がある30代こそ、まさに貯金を始めるチャンスです。
5年先、10年先の自分の歩む道をより豊かで自由なものにしていくためにも、ぜひ今一度貯金について考えてみてはいかがでしょうか。
コメントフォーム